オーガニックを学ぶ
2013.03.12

国産アロマの『yuica/ゆいか』に学ぶ、日本の森のお話。※動画あり

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 「yuica ゆいか」は、国産アロマで、ブランド名である"yuica ゆいか"とは、漢字の「結馨」から名付けられたものです。「結馨」の由来として、「結」は、古来この国では、人と人のつながりや暮らしに役立つ、地域の相互扶助の意味として使われていたこと、「馨」という字には「声」という文字が含まれていますが、日本では香りを「きく」伝統文化が存在したことを名前に込めて「結馨」=「yuica ゆいか」というブランド名になっています。

ーー■ yuica製造の監督者である北川氏に、yuicaや日本の森についてのお話を伺いました。


※ 北川氏は、愛知県森林・林業技術センター長を務めてきた経験を基に、現在は森のプロフェッショナルとして、yuicaの精油(エッセンシャルオイル)製造の監督者としてyuicaの製品開発に携わっております。
 
ーー■ ゆいかの「結」という言葉は、白川の合掌村にある白川郷の「結」にちなんでいます。

「結」という言葉は、白川の合掌村にある白川郷では、今でも屋根が"茅葺き"になっているのですが、この茅葺き屋根は、数年に一回葺き替えが必要ですが、家主ひとりの手では行うことが出来ない。なので集落のみんなで、茅を摘み育てながら、みんなで順番にその屋根を葺き替えましょう、という集落においての組織があります。そして、白川郷では、この集落の組織のことを「結」と呼んでいることも、ブランドの名前に由来しています。

 そして、ゆいかの「結」は、結ぶという意味で、山と町を、香りで結ぶ。この2つの文字の意味は、山で育った木から、オイル(精油)を採っているので、山と町を結ぼう。山と町を、香りで繋ごうという意味も、この名前に込められています。

ーー■ どうして、私たちは、山と町を結ぶのか?

 どうして、山の木からつくったオイル(精油)で、山と町を結びたいのか?というと、今の日本の森が置かれている状況が関係しています。今、日本中にある山に当てはまりますが、山が荒れています。日本の山にある森は、人工的につくった森です。畑と同じで、手入れをしないと、どんどん荒れてしまいます。自然に出来た、白神山地のような森であれば、200年300年掛けて森が自然に出来て、その中にある自然が生態系をつくり、強い山がつくられていくのですが、今、身の回りにある山の森林というのは、ほとんどが人がつくったもので、途中で手を抜いてしまうと、どんどん荒れてくるのです。そして、特にその中でも荒れているのが、人工林なのです。

 杉やヒノキなどの、人が植えた林は、きちんと手入れをせず、植えたときからそのままの状態なので、"もやし"のような状態になっています。本来であれば、植えた木が育って行く過程で、間伐(かんばつ)という、木を抜いてあげて、残った木が大きく育つようにし、山を育てていかなければなりません。

 しかし、どうして日本の山の木は、植えたままになってしまっているのかというと、杉やヒノキなどを植えた今から40年〜50年前には、収穫期になったら、お金になるから、日本の山を緑でいっぱいにしましょうということで植えられたのですが、木が大きく育った今の時代になると、育った木が売れなくて、山を持っている人たちも林業経営をしなくなってしまったのです。

 このような背景から、山が荒れて行く日本の山を、どうにかして守りたい。人工で植えられた杉やヒノキなどを見直してみると、オイル(精油)が採れるので、このオイルを採って、山の仕事を増やして、町の人たちに買ってもらって、そのお金で山の手入れをすることが出来るのではないか、私たちは、こういう考えを持っています。

ーー■ 日本人にとって、森林はとても身近な存在。国土に占める森林の割合は67%で、世界第2位の比率の高さです。

 日本人にとって、森林はとても身近な存在です。国土に占める森林の割合を森林率と言いますが、日本の森林率は67%で、この数値は、世界中の国々の中で、上から数えて第2位と、森林率の非常に高い国なのです。

 非常に日本は、雨に恵まれていて、気候帯も温帯にあって森が育ちやすい。昔から日本には「後は野となれ山となれ」ということわざがありますが、放っておいたら、日本の山は、荒れ地でも何も手入れをしなくても、森になるんです。それくらい森林に恵まれている環境なのですが、現状は荒れてしまっている。こういう状況を、なんとか我々の手で、手入れをしながら、しっかりした森に育てて行きたいと思っています。

ーー■「森を守る」ことは、「海を守る」ことに繋がる。

 どうして森の手入れをして、育てていきたいのかというと、森が悪くなると、そこに降った雨が森の表土を連れて川に流れて行って、その川がダムに入って、海に流れて行ってしまいます。森の表土には腐葉土が含まれていて、非常に栄養度が高い土なのですが、この土が流れてしまうと、山は痩せてしまいます。

 そして、この表土が流れると、川の底が埋まってしまいますし、ダムに行けばダムが埋まります。表土が港に流れ着くと、その中の栄養分を食べるために、プランクトンが発生します。プランクトンが発生すると、酸素を消費し、港の水の酸素が少なくなると、港の水が酸欠になります。酸欠になると、港にいる魚が死に、さらにプランクトンが増殖し、赤潮になってしまいます。

 山をきちんと守らないことには、海は、育たないのです。宮城の気仙沼には「森は海の恋人」という、漁師さんたちが、山に木を植える活動があり、海と山との結びつける活動があるのですが、この背景には「森を守る」ことは、「海を守る」ことに繋がる、ということがあるのです。

-- 2013年3月4日に『テルメフェリーチェ代官山』にて行ったyuica講習会より

「yuica ゆいか」アロマ体験イベントのご紹介
国産アロマ「yuica ゆいか」では、定期的にアロマ体験イベントを行っています。
開催日時:月に2、3回開催 ※主に土曜日に開催(開催日時は下記HPをご覧ください)
12:30 JR高山駅集合(送迎バス有)、もしくは13:00 森のレストラン集合
開催会場:オークヴィレッジ敷地内
参加費:6,000円税込 (当日受付にてお支払い)
定員:25名 (要予約)
URLhttp://www.yuica.com/

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